12 10月 靴修理について知っておいてほしいこと~修理の基本と後悔しないために
あなたはいままでに自分の靴を修理したことはありますか?
それとも修理せずに新しい靴を買ってしまいますか?
このページでは靴修理の基本から修理についての沢山の疑問や不安について、靴修理職人の飯島が回答していきます。
「靴を安く修理するにはどうしたらいいの?」
「安い靴は修理するより買い替えたほうがベターなのでは?」
「愛用の革靴を修理に出したいけれども、どこに出すのがいいの?」
こういった疑問をもっている方は多いはずです。愛用の靴を修理するにしても、しないにしてもまずは靴修理自体について詳しくなっておきましょう。
靴修理の基本のき
「靴修理ってかかとだけではないの?かかと以外にどういった修理ができるの?」
といった質問にまずは答えていきます。実は、靴修理は奥が深く職人の腕によっていろいろな修理が可能なのです。このページの最後に到達する頃には、もうすでにあなたは靴修理マイスターになっているはずです。
そもそもなんで修理するのか?
愛着がある革靴、まだまだ履きたいと思っているパンプスなどは修理して長く履いてあげるのが良いと思っています(筆者の個人的な意見ですが)
また「修理」はとても環境にもいいのです。捨ててしまうとそのままゴミとなってしまう「靴」もかかとを修理するだけで、まだまだ長く愛用することが出来ます。修理した際にゴミとして出るのは古くなったかかと部分のみ!驚きなのは私だけでしょうか!
更には1年間履いた靴には愛着のみではなく、とても理にかなった利点があるのです。それが何かわかりますか?
数年いた靴には「履きやすさ」がプラスされているのです!どういったことでしょうか?足に靴を合わせるという言葉があるように、ある程度長い期間はいた靴は、自分の足型に少しずつフィットしてきます。この傾向は特に本革にて作られた靴にて躊躇に出ます。
そういった靴は修理して長く履いてあげるのが、足の健康にとってもいいことなのではないでしょうか。
どういった修理が可能なのか?
「靴修理」と言われても、どういった修理ができるのか具体的に思い浮かべられる人は意外と少ないのではないでしょうか?
ここでは一番多い修理や基本的な靴修理について紹介していきましょう。
◯一番依頼の多いかかと修理
どこの修理店でもおそらく一番多いのが、かかとの修理です。頻繁に革靴を履く人なら一度は修理を依頼したことがある比較的定番の修理なのではないでしょうか。
後ろからみてかかとが斜めに削れてしまった場合にはこちらの修理を依頼してください。
◯滑り止め/減りどめのハーフソール
「雨の日の通勤はちょっと怖いな」
「お気に入りの革靴を大切に履きたい」
そんな風に感じているのであれば、ハーフソールという修理がおすすめですよ。ハーフソールは「半張り」とも呼ばれています。
修理方法として靴の前半分にラバー製の補強材を貼り付けて、靴ソール部分の補強をする修理になります。ハーフソールは滑り止めの効果も高いので、滑りやすい革靴などをもっている方は一度依頼してみてください。
◯インソールの交換
インソール(中敷き)の汚れが気になる!というお悩みをもっている方はインソール交換をしてみるといいかもしれません。特に汚れやすい夏場やインソールが目立ちやすいパンプスなどにおすすめの修理です。
また「履き心地が悪い」「歩きにくくて、足が疲れる」といった場合にもインソールを変更することで、状態が改善する場合があります。そういった場合には専門店にて経験豊富な職人に相談してみてください。
インソールのタイプや色も実に様々なものがあるので、オリジナルの色に合わせたりするカスタムが可能です。
上記3つの修理が靴修理専門店にて比較的依頼の多い修理です。革靴やパンプスのトラブルは、まずは修理専門店に相談してみましょう!
お店に依頼した場合にかかる修理料金
気になる靴修理料金についても見ていきましょう。「修理って高いんじゃないの?」と思われている方は、まずはこちらからどうぞ。
◯かかとの修理
- ピンリフト交換 1000円
- レディースリフト交換 1500~2000円
- メンズリフト交換 2500~4000円
- かかと斜め補修 2500~3500円
すべて両足の価格なので安心ください。
パンプスなどのピンヒールの先端部がピンリフトです。比較的安価に修理できるのでおすすめです。
その他のかかと修理に関してもレディース1500円前後、メンズで2500円前後にて修理できると想定しておけば、間違いないかと思います。
◯ハーフソール
ハーフソールもメンズとレディースでやや料金が異なります。お気に入りの革靴は購入時のハーフソール依頼がおすすめ。
靴修理初心者の方に特におすすめしたい修理メニューです。かかと修理の次はハーフソールと覚えましょう。
- メンズハーフソール 2500~4000円
- レディースハーフソール 2000~3000円
特殊な靴に関しては別途見積りが必要な場合もあるので、そういったケースには無料のメール見積もりを利用してください。
時間はどの程度かかるの?
店頭での修理、郵送での修理で所要時間は変動します。
◯来店修理の場合
- ピンリフト交換 5分~
- かかと修理 30分~
- ハーフソール 1時間~
- オールソール 21日間~(お預かり)
◯郵送修理の場合
- ピンリフト 7日間~
- かかと修理 7日間~
- ハーフソール 7日間~
- オールソール 21日間~
特殊な修理などは時間がよりかかる場合があるので、注意しましょう。
かかと修理などはスピーディーな修理ができるので、待っている間の修理なども可能です。
安く修理するにはどうしたらいいの?
「靴自体がやすかったので、修理も安く済ませたい」
こういった要望は実に多く、実際に多数の方から質問をもらいます。安い靴だけで愛着がある場合などは、下記に勧める2つの方法を試してみるのもいいかもしれません。
靴修理を安く済ませる方法を紹介します。
DIYのススメ
自分で靴修理?をやってみるのが一つ目の方法です。ある程度の時間と手先が器用な人におすすめです。
◯DIYの注意点
- 自己責任にて作業する
- 修理アフターの見た目はそれほど良くない
使用する道具はシューグーという靴修理溶剤です。一般的に市販されているのでこちらを購入しましょう。
専門店でも安く修理できるところはある
「自分で修理するのなんて、面倒すぎる」
「自分でやるくらいなら捨ててしまったほうがよい」
と思っている方に朗報ですよ。実は、専門店のなかにもお安く修理をしてくれる店舗があるのです。そういった店舗に修理を依頼してみてはいかがでしょうか?
初めて修理に出す際に知っておいてほしいこと
修理初心者の方に知っておいてほしいことをリストアップしてみました。修理後に後悔しないためにもまずは下記を参照してみてください。
1万円の靴を1万円で修理する
そんなアホな!と考えるのが普通かもしれませんね。
けれども愛着があって捨てられない洋服やバッグって誰でも1点は持っているのではないでしょうか?
誕生日にもらった革靴、足にフィットしたパンプスなど思い入れがある靴を持っているのなら修理という選択肢を検討してもいいかもしれません。
実際自分の足にフィットした靴というのはとても貴重なものです。新調した靴が足に合わないという体験はとてもストレスフルなものです。
そういった場合に靴の修理をおすすめしています。まだまだこの靴・パンプスを履きたいといった場合は、購入価格と同じ金額でも修理してもいいのではないでしょうか。
かかと修理のその後には
すり減った靴を直した際など、修理後にどういった変化があるのかを予め知っておきましょう。
◯履き心地の変化
かかと修理、ハーフソール、インソール交換などをした際には、履き心地もある程度変更になるので注意しましょう。
特にかなりすり減ったかかとを修理した場合、履き心地は変化します。靴の大きな傾斜が改善されたために、はじめは違和感を感じる場合が多いようです。
そういった場合でも履き始めて1週間以内には履き心地に慣れてきます。また傾斜が改善されたため、足の健康にも良い影響を与えます。
ハーフソール、インソール交換、オールソールなどでも履き始めは一定の違和感があるので覚えておきましょう。
相見積もりのススメ
中古の車を売りに出す際と同様に、相見積もりはしておくに越したことはありません。この際に見る点は修理料金、納期、対応の良し悪し、修理経験の豊富さなどを見ると良いでしょう。
最近ではメールにて靴修理の無料見積をしてくれるサイトも増えたので、そういった店舗に依頼すると手間も省けます。
また保証書がある場合などは購入店と修理専門店にて相見積もりを取るのも一つの手です。
修理後に確認したいこと
初めて修理に出すのはとても不安なことです。修理後にはまずはきちんと修理されているかを確認しましょう。
修理に出す前に、修理箇所と靴全体の写真をとっておくと修理後に比較ができるので良いかもしれません。
また修理後には必ず実際に何日か履いての状態確認をしてみてください。見た目だけではしっかりと修理されているかわからない場合もあるためです。
さて、靴修理について知っておいてほしいことは以上となります。その他疑問点やこのページでは解決出来なかったことは、メール問い合わせにてご相談ください。